SIP4D(エスアイピィフォーディ)は災害対応を行う様々な機関が保有する情報を「相互に共有」することで、対応機関間の「状況認識の統一」をはかり効率的な災害対応を実現するための情報流通基盤です。

SIP4D = “Shared Information Platform for Disaster Management”

災害発生時には様々な機関が被災地にて活動を行いますが、それらの機関が的確に災害対応を行うには状況認識の統一が必要です。SIP4Dは各機関がもつ情報を相互共有し、更にそれぞれの組織が収集した被害状況や個々の活動状況等を地図上に一元表示する「共通状況図」などを提供することで異なる機関間の状況認識の統一を可能にし、災害対応における意思決定を支援します。

災害発生時には災害対応に必要とされる情報を多様な情報源から収集し、組織を越えた防災情報の相互流通を担う基盤的ネットワークシステムとして稼働します。

SIP4D自体は情報のパイプラインであるため、複数の利用者同士を仲介するハブとしてデータを適切に流通させます。データの表示や活用は連接するシステムに委ねるため、SIP4D自体は流通に特化した比較的シンプルな構成になっています。

 

SIP4Dでは円滑な情報の流通に資する新たな情報共有のデータフレームワークを研究開発し、SIP4D-ZIPとして標準化(JSA-S1016:2023)しました。SIP4D-ZIPを用いることで異なる機関が送り合う情報を標準化することなく、柔軟に共有でできます。

※JSA-S1016:2023 災害情報共有のための共通データフレームワーク-SIP4D-ZIP https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0090/index/?bunsyo_id=JSA-S1016%3A2023

※データフレームワークとはシステム間でデータをやりとりするためのルール・手順を体系的に整理した「枠組」のことで、SIP4D-ZIPは,異なる情報システム間で災害情報を共有するために必要な構成要素であるメタデータ及びデータ本体について統一した記述様式を定めています。

近年の災害では被災都道府県がSIP4D-ZIP形式で共有した避難所情報がSIP4Dにて統合・配信され、さらにISUT(災害時情報支援チーム)のサイトを通じ災害対応を行う各機関へ提供されています。

統合された複数都道府県の避難所情報の例

本地図は地理院タイル (淡色地図)を使用して作成した。

 

国の災害対応の中核となる内閣府の新総合防災情報システム(SOBO-WEB)が2024年より稼働を開始しました。SOBO-WEBではSIP4Dにて研究開発された情報の相互共有機能や状況認識の統一に係る機能、SIP4D-ZIP等が採用されています。

現在SIP4Dに連接する自治体などの災害対応機関システムは今後新総合防災情報システムへの繋ぎ替えを行いますので、新たにシステム連接を希望される府省庁・都道府県・政令指定都市・指定公共機関におかれましては新総合防災情報システムとの連接を是非検討ください。


【外部サイト】新総合防災情報システム(SOBO-WEB)について
https://www.bousai.go.jp/taisaku/soboweb/index.html

 

災害実務における情報共有の中核はSOBO-WEBが担いますが、SIP4Dは防災科研の研究基盤としてだけでなく内外の防災研究成果の流通基盤として運用・開発を継続します。更にSOBO-WEBとデータ共有を実施することで、防災研究の成果がいち早く災害実務に試行適用できるよう連携を図っていきます。

研究分野における試行的・先進的データの流通を希望する機関におきましてはSIP4Dとの連接をご検討ください。自らの情報を他機関へ提供する、他機関が提供する情報を活用し、より災害対応に資するデータを再共有する、そのような取り組みをSIP4Dは支援いたします。

※SIP4Dに係る問い合わせは「お問い合わせ」よりお願いします。

 
 
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